★部活をやる子は勉強ができる★ 2016.11.7

★部活をやる子は勉強ができる★ 2016.11.7

これが真実!「部活をやる子は勉強ができる」

最初の「親の働きかけ」で両立は成功する

 

経験則上、部活を頑張る子は学力も高い

公立の中学では多くの生徒が部活動に入りますね。部活動は日本特有の活動で、海外ではあまり見かけることはなく、国内ではその賛否両論あるようですが、健全な精神と健全な体を作るために悪いことではないと思います。

そして、そこには学力とある一定の関係があることがわかったのです。それは

「部活動をしっかり頑張っている生徒は、学力が高い傾向にある」

ということです。

なぜなら、部活動をやらずに家にいても勉強もせずに、ダラダラしていれば何も生産的ではありません。しかし部活動をしていれば、運動部であれば体を動かし鍛えることができますし、人間関係も学べます。部活動で勉強する時間が限られるため、集中的かつ効率的な勉強をするようになることもあります。

このように部活動で得られることは多いものです。ですから、今までの私の経験からも、「部活動をしている生徒の方が、成績が良かったという傾向」がありました。

しかし、ここで重大な点を認識しておかなくてはなりません。これから申し上げることが成立していなければ、上記の内容は“逆転する”のです。つまり、「部活動をやればやるほど成績が下がる」という状態になるのです。それは次のような2つの状態になっているときです。

 

1.練習が当人には激しすぎて、家では一切勉強が手につかない状態

このようなケースは今までたくさんありました。特に中1あたりでは、これまでの小学校の楽な生活から、忙しい中学生活に代わり、そこに部活が加わるのですから、それは大変です。部活がある程度大変さであるのは、当たり前なのですが、時折とても激しい部活があります。

そのようなとき、生徒は、勉強を捨てるか部活を捨てるかという選択に迫られるようで、不思議なことに、90%の確率で生徒は勉強を捨てます(両立という選択はなぜかありません。世の中に出れば両立だらけであるにも関わらず……)。

勉強を捨てるとは、成績が落ちても部活を頑張ると決めてしまうということです。そのような事態になるとき、私は次のような会話を生徒としてきました。

私:「今回の成績、結構落ちているけども、どこに原因があると思う?」

生徒:「あまり勉強しなかったことにあると思います」

私:「なぜ、勉強しなかったの?」

生徒:「部活で忙しくて、勉強する時間がありませんでした」

(どれぐらい時間がないかを2人で検証してみて、確かに時間がとれない状態であることが判明した後)

私:「君はサッカー部だったよね。部活は確かに心身ともに成長させてくれる活動には違いない。しかし、勉強に影響が出るのであれば、君にとっての部活動は考えなくてはいけない。学校には、部活をするために行っているのか、勉強をするために行っているのか。 教育課程からみて授業は必須であるけども、部活は必須ではないよね。だから当然、部活のために学校に行っているわけではない。本当は両立することがいいのだけれども、勉強か部活かという2者択一だとしたら、迷わず、勉強を取るべきだと思う。もしJリーグに入ってプロを目指すのであれば別だけど」

この話は、生徒にとっては時に結構きつい話になります。「(楽しくやりがいをもってやっている)部活より(必ずしも今楽しくない)勉強を取れ!」と言っているのですから。もし、部活を取るというのであれば、私は「ではプロを目指さなくてはならない」といいます。その覚悟ができないのであれば、勉強を捨ててはならないといいます。人間には習慣になれば適応できるという性質があるため、一定期間(3カ月程度)様子を見て、それでも明らかに本人にとって(肉体的にも精神的にも)大きな負担となっている場合は、即、部活を辞めるということも考えさせてください。

 

2.テスト前、テスト期間中も部活動がある

通常、テストの1週間前は部活動は停止になるものですが、たまにコンクール前だからといって、テスト前もテスト期間中も部活があるようなケースがあります。

このような場合、本人がこの状態でも学習面において何も影響しないということであれば、部活動は続けても全く問題ありませんが、そうでない場合は早めに手を打った方がいいでしょう。つまり、中1段階で見切りをつけないと中2、中3では部内で主力メンバーとなり、抜けることが難しくなってしまいますので、その前に決断すべきということです。

こうしたケースはそれほど頻繁にはありませんが、何度か私はこのような部活に入っていて困っている生徒を経験しました。

次の、私と生徒(中学2年)の会話をご覧ください。

田中君:「今入っている部活がきつくて、勉強との両立がなかなか難しいんです」

私:「そうか。部活は確か吹奏楽部だったね。どの程度きついのかな」

田中君:「うちの学校はコンクールで上位を取る常連校なので、結構練習量が多いのはわかるのですが、テスト前やテスト期間中も練習があるので、テスト勉強する時間があまりとれないんです。中1のときは大丈夫でしたけど、中2になると私たちが主になるので、あまり休めなくて」

私:「なるほど。それはそうだよね。しかし、テスト前もテスト期間中もあるとなると、他の生徒よりもいちばん重要な期間の勉強時間が少なくなるから、これは厳しいね。テスト対策は他の生徒と違う時間を取ってやってあげるから、来られる時間を教えてもらえるかな」

このケースの場合、部活の先生が「勉強よりも部活の方が重要だ」と公言していたのですが、保護者から「テスト勉強ができない」と学校へクレームが入り、その後、テスト前3日とテスト期間中の練習はなくなりました。しかし、もし保護者からの要望がなければ、今もこの状態が続いていたことでしょう。

このように、本来、部活は青少年の心身育成にとって重要な要素のひとつであるにもかかわらず、一方で、いきすぎた部活動があることも事実です。そして、本人の体力、精神力を鍛えてくれるものであるのか、またそれを超えてしまっているものなのかは、個別で見ていかなくてはなりません。

しかし、改めて申し上げますが、どのような生徒、ケースに対しても共通して言えることは、

「成績が下がるのであれば、部活動を即辞めたほうがいい」

ということです。

 

両立成功のカギは「中1・4月」の約束

もし、いきなり「成績が下がったから、今すぐ部活をやめなさい!」と言っても、子どもはそうそう納得しません。ですから、部活動に入るとき、つまりは中1の4月などの時点で、子どもとの間で約束事を作るのです。

「もし成績が下がった、勉強をやらなくなったという状態になったら、部活動は辞める」という約束です。その理由は、「学校には部活を目的として行っているのではない」というものです。

この事前の対応の効果もあって、私の周囲では、実際には途中で部活をやめることになったというケースはほとんどなく、多くの生徒は最後まで勉強と部活を両立して頑張りました。ですから、冒頭に書きましたように「部活動をしっかり頑張っている生徒は学力が高い傾向にある」という状態になれたのかもしれません。

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